| 日没の20分前に、準備をして海へ移動。そこで、アカテガニを刺激しないように、じっと登場を待つのだ。大潮なので、波打ち際でも、膝くらいまで水かさがある。長靴と懐中電灯は必需品だ。やがて、日没を迎えると、どこからともなくアカテカニが岩場や砂浜に下りてきた。たくさんの幼虫を抱え、母カニは一目散に水をめざす。そして、水中で安定した足場を見つけると、すかさずゾエアを放つのだ。 |
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| ぶるるる、ぶるるる…。アカテガニが、放仔(ほうし)を始めた。水に入ると、もうライトを当てても大丈夫。子孫を残すために、必死になっているのだ。水面に同心円の波紋ができ、4万〜5万のゾエアが放たれる。すると、すかさず小さなボラがたくさん寄ってきて、放したそばからゾエアを食べていく。それでも、アカテガニは放仔を繰り返す…。大潮の夜にしか見ることができない、自然の神秘だ。 |
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| 運良く生き残ったゾエアは、2mmほどの“メガロパ”となり、1ヶ月で子ガニになる。そして夏が終わる頃に上げ潮に乗って陸に上がり、小網代の森で暮らすのだ。森が汚染されたら、貴重な生物の営みが崩れることは明白だ。開発の波が押し寄せる中で、ナショナルトラストとして買えた土地はわずか数%にすぎないという。人が守らなければいけない自然。森の小さな命は、そんなことを教えてくれた。 |
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2004.9.1 |
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